🧠 「保険に入っているのに、不安が消えない」
これまで、
保険についてはきちんと考えてきた。
医療保険、がん保険、生命保険。
「万が一のときに困らないように」と言われ、
必要だと思うものには一通り加入してきた。
それなのに、
将来の不安が完全に消えたかというと、そうでもない。
- 病気になったらどうしよう
- 老後資金は足りるだろうか
- 家族に迷惑をかけないだろうか
不思議な話です。
安心のためにお金を払っているのに、
不安はまだ残っている。
ここで一度、立ち止まって考えてみてほしい。
👉 その安心、本当にコスパは良いでしょうか?
🧠 なぜ人は保険に安心を求めるのか
まず大前提として、
保険に入る心理はとても自然です。
人は不確実な未来に弱い生き物です。
- いつ起こるかわからない
- 確率は低いが、起きたら困る
- 起きたときの想像がやけにリアル
こうした状況に直面すると、
人は「正しい選択」よりも
**「後悔しない選択」**を取りやすくなります。
心理学ではこれを、
- 損失回避バイアス
- 後悔回避
- 曖昧さ回避
と呼びます。
👉 人は合理的だから保険に入るのではなく、
後悔したくないから保険に入る。
ここが重要なポイントです。
💰 安心は「一時的に効く」
保険に入った直後、
少し気持ちが軽くなる感覚はありませんか。
- これで一安心
- もしものときも大丈夫
- やることはやった
この感覚自体は、間違いではありません。
ただし問題は、
その安心が長続きしないことです。
時間が経つと、
- この保障で足りるだろうか
- もっと手厚い方がいいのでは
- 他にも入った方がいい保険があるのでは
と、新しい不安が顔を出す。
👉 安心は即効性があるが、持続性は弱い。
そしてそのたびに、
追加の保険料という「コスト」が発生します。
💰 保険が「高くつく」仕組み
保険が高くつく理由は、
保険会社が悪いからでも、
加入者が無知だからでもありません。
構造の問題です。
保険とは、
- 起きる確率は低い
- でも起きたら大きなダメージ
というリスクを、
毎月・毎年の保険料として平準化する仕組みです。
つまり、
- 保険料=安心の定期課金
とも言えます。
この定期課金は、
目立たない形で、長期間にわたって積み上がります。
📉 「使わなかった保険」はどうなるのか
多くの人が、心のどこかでこう考えています。
使わなかったら、もったいない
でも、使ったらそれはそれで嫌だ
この矛盾こそが、
保険という商品の難しさです。
保険は、
- 使わなければ損した気がする
- 使ったら人生的に損な出来事
どちらに転んでも、
気持ちよく終わることがありません。
それでも人は加入します。
なぜなら、
「入っていない状態」が一番不安だからです。
⚠ 実際の確率と、体感リスクのズレ
ここで重要なのが、
実際の確率と、私たちが感じるリスクのズレです。
- がんになるかもしれない
- 大病をするかもしれない
- 働けなくなるかもしれない
これらは事実として「ゼロ」ではありません。
ただし、
- どの年代で
- どのくらいの確率で
- どの程度の自己負担になるか
を冷静に見ると、
想像しているほど頻繁ではないケースも多い。
👉 人は「起きたら困る出来事」を、
「起きやすい出来事」と錯覚しやすい。
この錯覚が、
保険を必要以上に厚くしていきます。
⚠ 良い人ほど、保険に入りすぎる
皮肉なことに、
保険に入りすぎてしまう人には共通点があります。
- 真面目
- 責任感が強い
- 家族思い
- お金で失敗したくない
どれも、
本来は「良い性格」です。
しかしその分、
- もし何かあったら申し訳ない
- 備えていなかったと思われたくない
という感情が強く働きます。
👉 良い人ほど、安心を買いすぎる。
これは欠点ではなく、
心理のクセです。
🔥 保険と資産形成は、なぜ噛み合わなくなるのか
ここまで読むと、
「じゃあ保険って、資産形成の敵なのか?」
と思うかもしれません。
結論から言えば、
保険自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、
保険に“安心を求めすぎる”ことです。
💰 固定費としての保険料
保険料は、毎月・毎年確実に出ていくお金です。
- 家賃
- 通信費
- 保険料
これらはすべて固定費。
資産形成において固定費は、
長期的なリターンを最も静かに削る存在です。
たとえば、
- 月2万円の保険料
- 年24万円
- 30年で720万円
しかもこれは運用前の金額。
👉 安心は、気づかないうちに時間を味方につけて増えていくコストです。
📉 「守る」と「育てる」は別物
ここで一度、役割を分けて考える必要があります。
- 保険 → 守るための道具
- 資産形成 → 育てるための行為
保険は「失敗しない」ための仕組みであり、
「増やす」ための仕組みではありません。
にもかかわらず、
- 安心したい
- 不安を減らしたい
という理由だけで保険を厚くすると、
守りに全振りした家計になります。
👉 守りすぎると、攻める余地がなくなる。
⚠「とりあえず入っておく」が一番高くつく
保険が高くつく最大の理由は、
実はここにあります。
よくわからないけど、
入っておいた方が安心だから。
この「とりあえず」が、
- 見直されない
- 解約されない
- 比較されない
まま、何年も続きます。
👉 考えない安心は、最も高価な安心です。
💡 本当に必要な保険の考え方
では、どう考えればいいのか。
ポイントはシンプルです。
「確率 × 破壊力」
💡 保険が向いているリスク
- 起きる確率は低い
- 起きたら生活が破綻する
この条件を満たすものは、
保険で備える価値があります。
代表例は、
- 死亡
- 長期の就業不能
- 高額な賠償責任
👉 人生が詰むレベルのリスクだけを保険で覆う
💡 保険が向いていないリスク
一方で、
- 起きても貯蓄で対応できる
- 公的保障がある
- 発生確率が高く、金額が小さい
こうしたものは、
保険にすると割高になりやすい。
医療費についても、
- 高額療養費制度
- 傷病手当金
など、公的制度を含めて考える必要があります。
🧠 安心を「買う」から「設計する」へ
ここまで読んでほしい一番のポイントはこれです。
安心は、全部お金で買わなくていい。
- 生活防衛資金
- 支出の把握
- 公的制度の理解
これらは、
保険料を増やさなくても得られる安心です。
👉 安心には、無料または低コストな選択肢もある。
💡 数字で見える安心を持つ
たとえば、
- 生活費6か月分の現金
- 固定費を抑えた家計
- 何が起きたら困るかの整理
これらは、
保険よりも「持続する安心」になりやすい。
🧠 まとめ|安心が高くつくかどうかは選び方次第
保険は、
不安を完全に消すための道具ではありません。
- 破綻を防ぐ
- 最低限を守る
そのための仕組みです。
👉 安心を感情のまま買うと高くつく。
👉 安心を設計すると、コスパが下がる。
これがこの記事の結論です。
不安をゼロにする必要はありません。
不安と共存しながら、
必要以上にお金を払い続けない。
それが、
長期で見て一番「安い安心」です。
CobaruBlog《コバルブログ》