「最近、仕事が忙しすぎて休みが取れない…」「年間休日が少なくて転職を考えているけど、どのくらいが普通なの?」私は転職エージェントとして5年以上様々な企業の求人を見てきました。日本の企業は、年間休日の多さによって「ブラック企業」か「ホワイト企業」かがある程度判断できると言われています(例外あり)今回は人生のQOLに大きく関わる「年間休日」について私見を交え解説させていただきます。
転職を考えたほうが良いかも?:年間休日52日〜104日未満
労働基準法では、労働者に対し「1週間に1日または4週間に4日以上の休日を与える」ことが義務付けられています。※365日÷7=約52週
•52週 × 休み1日 = 52日
そのため法律スレスレの年間休日52日が最低水準です。勤務時間が8時間の場合、年間の残業時間は400時間を超えます。年収が高いのであればまだ良いですが、年収も低いようであれば、今日から履歴書を書き始めてさっさと転職しましょう。
年間休日が少ない企業の背景として、業界特性や人手不足の影響も考えられます。しかしそれは会社の都合であり、あなたがブラック企業に付き合って人生を棒に振る必要はありません。あなたを大切にしてくれる企業はたくさんあります
お金が無くて仕事をやめられないという人もいると思いますが、失業給付金や職業訓練に通いながらお金がもらえる職業訓練受講給付金、家賃が払えない方向けの住居確保給付金などが様々な行政サポートがあります。休日の少ないブラックな環境で働いている場合、過労が原因で傷病手当がもらえる可能性もあります。自治体ごと条件が変わるケースがあるので行政やハローワークで相談すると良いでしょう。
一般的な中小企業レベル:年間休日104日〜年間休日110日
完全週休2日制の企業では、基本的に毎週2日間の休み があります。これを年間の休日数に換算すると、以下のようになります。
•52週 × 休み2日 = 104日
つまり、完全週休2日制の最低ラインは年間休日104日 となります。お正月やGW、お盆もないので実際働いてみると休みが少ないと感じることも多いです。
続いて年間休日110日は一般的な中小企業に多い水準です。
・土日休み(104日)+夏季休暇や年末年始休暇でそれぞれ3日ずつあるパターンや祝日は休みだが土曜日の一部が出勤日に設定されているなどのパターンがあります。私も以前飲食店で働いていたときは年間休日は110日でしたが、シフト制でアルバイトの子が急遽休むと出勤していたので実際にはもっと休みが少なかったです。
ホワイト企業ライン:年間休日120日
日本には年間約16日の祝日 があります。完全週休2日制(104日)に祝日を加えると、年間休日は以下のようになります。
104日(完全週休2日) + 16日(祝日) = 約120日
年間休日120日以上の企業は、厚生労働省の調査でも平均以上の水準で、労働環境が整っている企業が多いと言われています。一般的に「ホワイト企業」の基準のひとつとされています。
比較的に規模の大きい企業に多い転職するなら目指すべきラインの一つです。
実際の転職市場を見てみても年間休日120日以上で求人を抽出している人が多い印象です。
そうなると、いくら年収が高く、魅力的な事業をしている会社もそもそも求職者の目に触れることがないので応募は来ません。
超ホワイト企業:年間休日125日以上
企業によっては、夏季休暇・年末年始休暇・創立記念日などを独自に設定 して、さらに休日を増やしている場合があります。
120日(完全週休2日+祝日)+ 追加の休暇 = 125日以上
年間休日125日以上の企業は、休みが充実した働きやすい企業 といえるでしょう
休みの多い企業ランキング
①IT業界(大手)
平均年間休日:120〜130日、休みに加えて、フレックスやリモートなどの制度がある。
② 公務員→
平均年間休日:125日、法律で定められた休日があり、安定している。
③ メーカー(大手)
平均年間休日:120〜125日、工場稼働のスケジュールが決まっているため、休みを確保しやすい
ちなみにワースト3位は、、、
① 飲食業界
平均年間休日:90〜100日、営業時間が長く、週末・祝日が繁忙期のため休みを増やしにくい
② 介護・福祉業界
平均年間休日:100〜110日、利用者のケアが24時間必要なためシフト制で休みを確保しにくい。
③ 建設・土木業界
平均年間休日:90〜110日、納期や工程管理の都合や3Kと言われ人気がなく人手不足で休みにくい
週休2日と完全週休2日の違いとは?
「週休2日制」と「完全週休2日制」は、似ているようで大きな違いがあります。
•週休2日制 → 月に1回でも週2日の休みがあればOK(最低5日休み)
•完全週休2日制 → 毎週必ず2日間休みがある(最低8日休み)
つまり、「週休2日制」と書かれていても、実際には月に1回しか週2日の休みがなく、他の週は週1日休みというケースもある ということです。
仮に月給の手取りが25万円だとすると
週休2日の場合勤務日数23日×8時間=184時間(時給:1358円)
完全週休2日の場合勤務日数20日×8時間=160時間(時給:1562円)
時給換算で200円以上も違ってきます。
36協定とは? 労働時間との関係
企業が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて従業員に働いてもらう場合は、労働基準法第36条に基づく「36(サブロク)協定」 を結ぶ必要があります。約10%の会社は36協定を締結していません。36協定を締結していなくても違法にはなりませんが、年間を通して絶対に残業しない会社ってあるんですかね?
きっと(サービス)残業(しか)ないんですね笑
【ポイント】
•法定労働時間は 1日8時間・週40時間
•36協定がない場合、これを超えて働かせることは 違法
•36協定があっても、2019年の法改正により
•原則:月45時間・年間360時間の残業が上限
•特別条項付き:年間最大720時間まで残業可能(条件あり)
有給休暇の義務化
2019年の労働基準法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、最低5日間の有給休暇を取得させることが義務化 されました。
【ポイント】
•年間休日とは別に、有給休暇の取得が法律で義務付けられている
•企業は、従業員が少なくとも 5日間は有給を取得するよう管理 しなければならない
•取得させなかった場合、企業には 罰則(最大30万円の罰金) もある
企業規模別平均年間休日数
1000名以上 66% 116.8日
300〜999名 60% 115.2日
100〜299名 53% 112.9日
30〜99名 45% 109.0日
大企業のほうが年間休日が多い傾向にあることが分かります。
要因としては大企業のほうがコンプライアンス意識が高く、業務の自動化やシステム化が進んでおり、休んでも別の人がフォローできる体制が整っている。また優秀な人材が集まりやすく、休みが多くても会社が利益を出しやすいというのも考えられます。
年間休日が多いことのメリット
年間休日が多いと単に「休める」だけでなく、従業員の生活の質(QOL)が向上し、仕事の生産性やモチベーションにも良い影響を与えます。
仕事の生産性があがる
年間休日が多いと、仕事以外の時間を使って資格取得や勉強に取り組めるようになります。たとえば、ITエンジニアが休日を利用して新しいプログラミング言語を学ぶ、営業職がマーケティングの勉強をするなど、自分のスキルを高めることができます。また、新しいスキルを身につけることで、業務をより効率的にこなせるようになります。たとえば、エクセルの自動化を学んだ事務職が作業を短縮できるようになれば、残業が減り、生産性が向上します。
労働時間が短い→できた時間で新しいスキルが身につく→生産性UP→さらに労働時間を短くできる
人生の充実度が向上
「人生=時間」と言われるように、どれだけ自由に使える時間があるかは、人生の満足度を大きく左右します。年間休日が多いと、自分の趣味や旅行、家族・友人との交流に使える時間が増え、充実した日々を過ごせるようになります。仕事ばかりで家族と過ごす時間が少ないと、人間関係が希薄になりがちです。しかし、休日が多いと、子どもの成長を見守ったり、配偶者とゆっくり過ごしたりする時間が増え、家族関係が良好になります。これは精神的な安定にもつながり、仕事にも良い影響を与えます。しっかり休めば、「また頑張ろう」という気持ちが生まれ、仕事のモチベーションが高まります。
経営者側にもメリット
年間休日が少なく、長時間労働が続くと、ストレスが蓄積し、精神的な負担が大きくなります。これが続くと、うつ病やバーンアウト(燃え尽き症候群)につながる可能性があります。人が辞めれば代わりの人を雇うしかありませんが、採用にも育成にも時間とコストがかかります。その間は他の社員にも負担がかかり悪化すると連鎖退職につながる可能性もあります。休みが少ないと上記であげた社員のスキルやモチベーションが上がりにくいため、利益UPの臨めません。
まとめ
年間休日は、働きやすさを判断する重要なポイントの一つです。特に、年間休日が52日〜104日未満の企業では、休日が極端に少なく、ワークライフバランスが崩れやすい傾向があります。逆に、年間休日120日以上の企業は、労働環境が整っているホワイト企業である可能性が高く、転職を考える際の一つの指標になります。
「今の職場でこれからも働き続けられるのか?」と不安を感じたら、転職エージェントに相談するのが良いと思います。
おすすめはDODAとリクルートエージェント迷ったらどちらかを選んでおけばOKです。私も転職では実際にこの2つを利用させていただきました。
少しでも皆様のお役に立てば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。