【境界知能】の特徴と対応方法

境界知能という言葉を聞いたことがありますか？これは知的障がいとは異なり、平均的な知能よりも低いが障がいとして認められにくい特性を指します。日本では約1700万人が境界知能(グレーゾーン)に該当するとされていますが、その生きづらさは見過ごされがちです。本記事では、境界知能の概要、特徴、注目されるようになった背景、そしてその解決方法について解説します。

境界知能とは？

境界知能は、知能指数（IQ）70～84の範囲に該当する人々を指します。この範囲の人々は、知的障がいと診断される70未満には該当しないため支援の対象外となる一方で、平均的なIQ（85以上）を持つ人々に比べると学習や生活の様々な場面で困難を抱えやすいという特性があります。日本では、全人口の約14％(約1700万人)が境界知能に該当し、これはIQが70未満の知的障がい（約2％）よりも多い割合です。しかし、約7人に1人が境界知能と対象の人数が多く行政のサポート対象外であるため、多くの人が見えない困難を抱えています。

境界知能の特徴

境界知能の方には、以下のような特徴が見られますが、環境や本人の資質によって幅があります。

• 他者との会話がスムーズにいかない
• 自分の意見をうまく伝えられない
• 感情表現が乏しく、深い人間関係を築くのが苦手
• 感情をコントロールできず、衝動的な行動をしてしまうことがありセルフコントロールが苦手
• 数的な処理能力が低く物事の理解や判断に時間がかかる
• 理解が遅く作業スピードが遅い
• 掃除、洗濯、金銭管理など、日常生活での自己管理が難しい
• 自己肯定感が低い
• 困難を一人で抱え込みやすい
• 分かったふりをする

境界知能の人は一見すると健常者と変わらないため、周囲が問題に気づきにくく、「努力不足」と誤解されることがあります。他の人と同じように努力しているにもかかわらず結果が出ないため、自己肯定感が育ちにくく、理解ができず何度も聞き返すのが億劫になり、分かったふりしたり周囲に相談できず一人で抱え込んだりしてしまいます。幼少期や学生時代は特に問題なく過ごせる場合もありますが、社会人になると複雑なコミュニケーション能力や判断力が求められ、問題が表面化するケースがあります。また、社会的判断力の低さから詐欺や闇バイトの被害に遭いやすい傾向があります。「怪しい」と感じることができず、無意識に闇バイトに参加してしまいます。さらに、コミュニケーション能力や作業スピードが遅いことが原因で収入の低さ、金銭管理の難しさが重なり、借金を抱えた末に闇金や闇バイトに流れるケースも指摘されています。

境界知能が注目されるようになった背景

現代社会では、様々なことが複雑に絡み合いコミュニケーション能力や問題解決能力、柔軟な判断力などが以前にも増して求められるようになっています。単純作業の多くが自動化され、高度な判断力や創造性が必要とされる仕事が増えました。また、日常生活でも公共サービスの手続き各種サービスの理解など、今までは問題なくこなせていたことが複雑化した結果ミスが目立ったり適応の難しさに直面することが機会が増えたことが原因の一つと考えられます。

周囲の理解とサポートが必要

境界知能の方々が自分らしく生活するためには、周囲の理解と支援が不可欠です。7人に1人の高い割合なのであなたの周囲にもいるかもしれません。境界知能の中でも環境や自身の資質による差も大きいためIQで一律に区別するのではなく、生活の困難さを基準に考えることも必要です。IQ70以下の知的障がいとは異なり、行政からの支援が届きにくい現状があります。境界知能の特徴や正しい知識を知っていれば伝え方や業務の割当などを工夫したり配慮も可能になり、本人にとっても成長や自信に繋がります。

まとめ

• 境界知能とはIQ70〜84で健常者と知的障がい者の中間に位置する人
• 日本では約14％(1700万人)いるとされている
• 一見健常者に見えるため様々な生きづらさを抱えている
• 世の中が複雑化したことで問題が表面化し注目されるようになった
• 境界知能について知識・理解を深めて工夫や配慮することが必要

最後までご覧いただきありがとうございました。

いや全然、お金とか投資とか関係ないやん！！！

と思ったのですが、私自身も今回調べてみるまで境界知能の人の多さや生きづらさについて全く知らなかったのでこれを機に対応を工夫したり自分にできることをやっていこうと思いました。（小並感）