🧩 はじめに:なぜ、人は“説得”が難しいのか?
どれだけ真剣に話しても、
「伝わらない」「動いてくれない」「納得してくれない」──。
人を説得するのは「技術」です。
熱意ではなく、心理学的メカニズムによって成功率が決まります。
この記事では、
世界の心理学者が実証した3大テクニック、
- ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩による説得)
- フット・イン・ザ・ドア(小さな承諾から大きな承諾へ)
- ローボールテクニック(決定後の変更)
を、行動経済学の観点も交えながらわかりやすく解説します。
🎯 ① ドア・イン・ザ・フェイス
(Door in the Face)
──「大きな要求 → 小さな要求」で承諾させるテクニック
まずは、
“無理めのお願いをして断らせる” ところから入る説得法。
▶ 仕組み
- まず相手が絶対に断りそうな大きな要求をする
- 相手が断る
- その直後に“本命の小さな要求”を出す
- 相手は「譲歩してくれた」と感じ、承諾しやすくなる
これは心理学でいう 「返報性の原理」 を利用しています。
人は「相手が譲ったら、自分も譲らなきゃ」と感じる生き物です。
▶ 例:仕事編
NG:「明日までに資料作って」
OK:「今日中に資料10ページお願いできる?」
→ 断られる
→「では3ページだけお願いできる?」
相手:「(仕方ないか…)いいよ」
▶ 例:恋愛編
「週末丸一日デートしよう」
→ 断られる
→「じゃあランチだけでもどう?」
成功率が上がります。
▶ 例:日常編
「1万円貸して」
→ 断られる
→「じゃあ1000円だけで大丈夫」
“譲歩の心理”が働きやすい。
🚪 ② フット・イン・ザ・ドア
(Foot in the Door)
──「小さな承諾 → 大きな承諾」の流れを作る技術
これは ドア・イン・ザ・フェイスの逆。
小さいお願いを承諾させ、
その後に本命のお願いを通す方法。
人間は一度「YES」を言うと、
“一貫性を守りたくなる” 心理が働きます。
▶ 例:営業編
「アンケート1分だけお願いします」
→ YES
→「では無料相談を受けませんか?」
→ YESしやすい
▶ 例:恋愛編
「LINE交換だけしよ」
→ YES
→「じゃあ今度お茶だけでも」
→ OKしやすい
▶ 例:職場編
「この1件だけ返信お願いできる?」
→ YES
→「では明日からこの仕事も一緒にできる?」
“小さなYES”が“大きなYES”を呼び込む構造です。
🎱 ③ ローボールテクニック
(Low-ball Technique)
── 承諾後に条件を変更する方法
これは少しトリッキーですが強力。
▶ 仕組み
- 相手が簡単に承諾できる条件を提示
- 承諾させる
- その後で“本当の条件”を出す (値上げ・追加条件・時間変更など)
一度「やります」と言った人は、
- 一貫性
- 罪悪感回避
- コミットメント(約束の維持)
によって、キャンセルしにくくなります。
▶ 例:営業編
「こちらの商品、初月は無料です」
→ 契約
→「2か月目からは通常料金になります」
典型的なローボール。
▶ 例:仕事編
「会議30分だけ」
→ 承諾
→「少し延びて1時間になるけど大丈夫?」
一度承諾すると断りづらい。
▶ 例:恋愛編
「5分だけ電話していい?」
→ 承諾
→「ちょっと話長くなるけどいい?」
→ 断りづらい
📉 ④ 説得がうまくいかない人の共通点
- 最初から本命を言う
- 相手の心理負荷を考えない
- 相手のメリットを提示しない
- “自分の正しさ”で押してしまう
- 無意識で相手を追い詰める
説得は「頭で押す」ものではありません。
心理で動かすものです。
🧠 ⑤ 説得力を飛躍的に上げる3つの法則(行動経済学)
▶ 法則1:選択肢は2つにする
選択肢が多いほど決めにくくなる「選択のパラドックス」があります。
例:
- AかBどちらが良い?
- 受ける or やめておく、どっちがいい?
シンプルにするほどYES率は上がる。
▶ 法則2:相手に“理由”を与える
ハーバード大学の実験で、
「〜だから」と理由を添えるだけで承諾率が大幅に上がることが判明。
例:
「この書類、今日中にお願いします。会議に使うので」
→ 理由があると断りにくい。
▶ 法則3:相手の“自己イメージ”をくすぐる
人は「自分はこういう人間だ」というイメージに合わせて行動します。
例:
- 「あなたの丁寧さなら頼りになります」
- 「いつも助けてくれるから相談したい」
良いイメージを与えられると、
そのイメージ通りに行動しようとします。
🔧 ⑥ 今日から使える!説得の実践ステップ
✔ Step1:まずは小さな依頼から入る(フット・イン・ザ・ドア)
✔ Step2:本命の依頼の前に“大きい要求”で揺さぶる(ドア・イン・ザ・フェイス)
✔ Step3:承諾後に詳細を固める(ローボール)
✔ Step4:相手のメリットを必ず提示する
✔ Step5:理由は必ず説明する(〜だから)
✔ Step6:断られても感情的にならない
→ 説得は“関係性の資産”で決まる。
🧾 まとめ:説得は「心理」を理解すれば誰でも上手くなる
- 人は“返報性”で譲歩する
- “一貫性”でYESを積み重ねる
- “コミットメント”で撤回しにくくなる
- 説得はテクニックで決まる
- 本命を通すには順番が大事
人を動かすのは“正論”ではなく、“心理の流れ”です。
説得の流れをつかむことで、
仕事も恋愛もコミュニケーションも
驚くほどスムーズになります。
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