コミュ力が高い人が実践している心理学

家族、友人、上司部下など様々な人とコミュニケーションをどうすればよいか悩む人が多く、世の中が複雑化して発展した結果の現代病のようなものです。
国内で300万部突破した「嫌われる勇気」の著者:アルフレッド・アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と断言しました。今回はコミュニケーション能力が高い人が意識的・無意識的にやっている対人関係を円滑にするための心理学をご紹介します。

類似性の法則

類似性の法則は、私たちが自分と似ている人に対してポジティブな感情を抱きやすいという心理的傾向です。たとえば、趣味や興味が似ていたり、価値観や考え方が似ていたりすると、その人に対して自然と親しみを感じます。これは、共通点があることで「この人は自分を理解してくれる」「話が合う」と感じやすくなるからです。

共通点が多いと、会話がスムーズに進みやすくなり、お互いの理解が深まります。たとえば、同じ音楽が好きだったり、同じスポーツを楽しんでいたりすることで、自然と話題が増え、共通の体験や意見を共有することができます。これにより、相手に対する信頼感や安心感が生まれ、より深い関係が築きやすくなります。

また、共通点があることで、相手が「自分に似た人」という認識が生まれます。これは「自己拡張理論」という考え方にも関連しています。この理論では、人は他者との共通点を見つけることで、自分自身を広げる感覚を持ち、その結果として、相手との関係を深める動機が生まれるとされています。

ピグマリオン効果

人が期待に応えようとする現象を心理学では「ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)」や「自己成就予言(self-fulfilling prophecy)」と呼ばれます。これは、他者からの期待が、その人の行動やパフォーマンスに影響を与える現象です。

ピグマリオン効果は、他人が自分に対して抱く期待が実際の成果に影響を与える現象を指します。たとえば、教師が生徒に「君は優秀だからきっと良い成績を取るだろう」と期待をかけると、その生徒はその期待に応えようとして、実際に良い成績を取る可能性が高くなります。

この現象は、1960年代にロバート・ローゼンタールとレノア・ジャコブソンによって行われた実験で確認されました。彼らは、ランダムに選ばれた生徒に対して「この生徒は今後大きな成績向上が期待できる」と教師に伝えました。その結果、期待をかけられた生徒たちは、実際に成績が向上したのです。この効果は、勉強だけでなく、スポーツや仕事でも同じです。

逆に「どうせ無理だよ」と思われると、成果も上がりにくくなってしまいます。毒親やブラック上司などにはなるべくかかわらないなど注意しましょう。

ツァイガルニック効果

ツァイガルニック効果は、ロシアの心理学者ブリューマ・ツァイガルニックが1920年代に発見した現象です。人は完了したタスクよりも未完了のタスクをより強く覚えていることが示されました。つまり、やりかけのことが頭に残り続け、それを完結させたいという欲求が生まれる心理学的な現象です

たとえば、ドラマや漫画の終わりに「続きは次回!」とされると、次回が気になって仕方なくなりますよね。これは、話の途中で終わったからこそ、脳が「どうなるんだろう?」と記憶に強く残してしまうのです。

最近だとスタミナに制限があるスマホゲームなんかもこの効果を利用している気がします。スタミナが足りなくてプレイ出来ないけど育成が中途半端でついつい気になってアプリをひらいていしまう、、、という経験が私にもありますw

逆にこの効果を利用すると、勉強や仕事でも効率を上げることができます。たとえば、やりかけの状態で一度休憩を挟むと、その後に続きを始める時、スムーズに再開できることがあります。

おしゃべり療法

「おしゃべり療法」は、日常的な会話や対話を通じて、心の中のストレスや不安を軽減する方法です。これは特に専門的な心理療法ではなく、友人や家族との普通の会話を通じて行われます。誰かが自分の話に耳を傾けてくれるだけで、その人は安心感を得たり、心の中のモヤモヤが軽くなったり良い影響を与え人間関係構築に役立ちます。ぶっちゃけただ会話するだけですねw

注意したいのは男女でおしゃべりの認識が違うことです。多くの場合、男性はおしゃべりの中で「結論」を求める傾向があります。一方で、女性はおしゃべりの中で「共感」を求めることが多いです。

コミュニケーションを円滑にするには男性側はいつもより共感を多めにすること、良かれと思っても上から目線でアドバイスは不要です。女性側はただ聞いてほしいだけなのか、意見や提案がほしいのか先に言っておくとスムーズにいきます。ぜひお願いします!(女性が9割の会社の男性社員より)

返報性の法則

「返報性の法則」は、誰かに何かをしてもらったら「お返しをしたい」と思う心理のことです。たとえば、友達が自分に優しくしてくれたら、自分もその友達に優しくしたくなりますよね。恋愛テクニックでもよく出てくるので名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。

この法則を利用すると、恋愛に限らず良い人間関係を築くことができます。まずは、自分から相手に親切に接することで、相手も自然と自分に対して親切にしてくれるようになります。ただし、これはお返しを期待してやるのではなく、純粋に相手を思いやる気持ちが大切です。

自分の悩みや弱い部分を話すことで、相手も自分に対して心を開いてくれるようになります。自己開示は適度に行うことがポイントです。最初からすべてを話すのではなく、少しずつ開示していきましょう。初対面の人に対して重大な情報を開示しても相手にとってはプレッシャーになってしまいます。

メラビアンの法則

メラビアンの法則は、アルバート・メラビアンという心理学者が提唱したコミュニケーションに関する法則です。この法則によると、人が他者に対して抱く第一印象や感情的な反応は、主に以下の3つの要素によって決定されるとされています。

1. 視覚情報: 表情や仕草、服装などの視覚的な要素が全体の55%を占めます。
2. 聴覚情報: 声のトーンや話し方、抑揚などの聴覚的な要素が38%を占めます。
3. 言語情報: 実際に話している内容や言葉の意味が7%を占めます。

つまり、コミュニケーションにおいては、言葉そのものよりも、どのように話しているか、そしてどのように見えるかが、相手に与える印象に大きく影響するということです。

友達と話しているとき、相手が笑顔でリラックスした態度を見せながら「頑張って!」と言ったとします。この場合、あなたはその応援を前向きに受け取るでしょう。しかし、同じ「頑張って!」という言葉を、冷たい表情や低いトーンで言われると、応援の言葉であっても、嫌味に感じたり、相手が本当に応援してくれているのか疑問に思うかもしれません。このように、視覚や聴覚の情報が言葉以上に影響を与えるのです。

また一度ついた印象を覆すのは非常に難しいです、これは初めて会った時の視覚や聴覚による情報が強く記憶に残るからです。

たとえば、新しいクラスメートが自己紹介をしているとき、落ち着かない様子で小さな声で話していたとします。その人に対して「内気な人」という印象を持ったとしましょう。その後、その人が自信を持って話すようになっても、最初の「内気な人」という印象はしばらくの間残り続けます。

また、ビジネスシーンでも、初対面で適切な服装や態度で臨まないと、「信頼できない」という印象を与えてしまい、その後の努力でその印象を修正するのが難しくなることがあります。

 

少しでも皆様のお役に立てば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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