最近、株式市場が好調でSNSでも「投資で資産形成!」という声が目立ちます。 しかし、投資ブームの影で生活防衛資金が手薄になっている人が増えているのも事実。 この記事では、生活防衛資金の必要額や計算方法だけでなく、「なぜ今こそ生活防衛資金が重要なのか」を深掘りして解説します。
生活防衛資金とは?
生活防衛資金とは、仕事を失ったり収入が途絶えたときに、生活を維持するために必要なお金のこと。 いわば「人生のバッファ」。これがあるだけで、急なトラブルにも落ち着いて対応できます。
ポイント: 生活防衛資金は投資とは別枠で確保するべきお金。投資で増やす前に、まずは減らないお金を確保することが大切です。
いくら必要?最新の目安
目安は3〜12か月分の生活費。最近の物価高や不安定な雇用状況を考慮すると、6か月分以上を確保するのが現実的です。
状況 | 推奨額 | コメント |
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独身・実家暮らし | 3か月分 | 固定費が少ないならミニマムでOK |
独身・一人暮らし | 6か月分 | 家賃・水道光熱費などフル負担 |
共働き世帯 | 3〜6か月分 | 収入源が2つある分少し短めでも可 |
子育て家庭(専業主婦世帯) | 6〜12か月分 | 突発出費が多いので厚めに |
自営業・フリーランス | 12か月分以上 | 景気変動に備え多めに |
会社員とフリーランスで違う生活防衛資金の考え方
会社員は雇用保険や傷病手当などのセーフティネットがあるため、目安は3〜6か月分。失業しても雇用保険が数か月分カバーしてくれるので、その間に次の職を探せば十分です。 フリーランスや自営業は収入が不安定で、景気や体調の影響も直撃します。12か月分以上を目安にするのが安全です。 さらに、国民年金や国民健康保険の支払いも続くため、生活費+社会保険料を計算に入れることが大切です。
株高の今こそ陥りやすいワナ
最近は日経平均やS&P500が好調で、「投資しないと損」という心理に引っ張られがちです。 しかし、この投資FOMO(乗り遅れる恐怖)が原因で、リスク資産に偏りすぎる人が増えています。 例: 「生活防衛資金150万円あるし、半分くらい株に入れちゃえ!」 → 数か月後、急落で含み損。急な出費に備える現金が足りず、泣く泣く損切り… 生活防衛資金を削って投資すると、暴落時に一番悪いタイミングで売らざるを得ない状況になります。 投資ブームの今こそ、「守りのお金」を確実にキープしましょう。
計算例と必要額早見表
毎月の生活費をまず把握し、そこから必要額を計算します。 例:毎月の生活費が25万円の人
- 最低3か月分 → 75万円
- 安心の6か月分 → 150万円
- 盤石の12か月分 → 300万円
生活防衛資金の置き場所
- 普通預金・ネット銀行:流動性が高い
- 定期預金:使いすぎ防止に効果的
- 証券口座のMRFや現金残高:投資と分けて管理
株式・投資信託・暗号資産など値動きがあるものはNGです。
生活防衛資金を貯めるステップ
- 家計を把握:固定費と変動費を仕分け
- 先取り貯金:給与天引き or 自動積立
- 支出見直し:格安SIM、不要なサブスク解約
- 副収入確保:クラウドワーク、副業でスピードアップ
まとめ:投資ブームの今だからこそ“現金力”を見直そう
- まずは3か月分の生活費を確保
- 理想は6〜12か月分で安心感アップ
- 投資と生活防衛資金は別物。株高でも現金比率を守る
- 守りがあると、攻め(投資)も長期的に成功する
参考リンク: 総務省 家計調査 金融庁 家計の金融行動に関する世論調査