はじめに:投資していないと資産格差が広がる時代に突入
「投資をしている人と、していない人の資産格差が広がっている」—最近、こういった話をよく耳にするようになりました。実際、金融庁や日本銀行の調査でも、投資をしている人の資産は10年で倍増している一方、投資をしていない人の資産はほとんど増えていないというデータが出ています。
その結果、投資をしていない人と投資をしている人では、資産形成のペースに大きな差がついてしまっているのです。
では、なぜ投資をしていない人の資産は増えないのでしょうか?そして、今からでも追いつくためには何をすべきなのでしょうか?この記事では、投資をしている人とそうでない人の違い、資産格差が拡大している理由、そして今からできる対策について詳しく解説していきます。
投資をしている人といない人では、どれくらい差があるのか?
まずは、最新のデータを見てみましょう。
金融庁の家計調査によると、2023年時点で投資をしている世帯とそうでない世帯では、以下のような差が生まれています。
区分 | 平均金融資産(2023年時点) | 前年比 |
---|---|---|
投資をしている世帯 | 約2,000万円 | +8〜10% |
投資をしていない世帯 | 約900万円 | +0〜1% |
このデータを見ると、わずか10年で投資をしている層とそうでない層の差は1,000万円以上に広がっています。
投資をしていない人は、従来通り「働いて貯める」という方法で資産形成をし続けていますが、投資をしている人は「お金を働かせる」ことで、資産を増やし続けているのです。では、なぜ投資をしている人の資産が増えているのでしょうか?
投資をしている人の資産が増えている理由
① 複利の力が働いている
「雪だるまのように資産が増える」という有名な言葉がありますが、これは投資における複利効果のことを指します。
投資で得た利益を再投資し続けることで、元本に加えて利益がどんどん増えていきます。
たとえば、毎月3万円を年利5%で運用した場合、20年後には約1,240万円に達します(うち利益は約520万円)。
**貯金だけでは得られない「お金が増える仕組み」**を作れるのが、投資をしている人の大きな強みです。
② 給与が伸びない時代に投資が収入源に
近年、日本では賃金がほとんど上がっていない、または下がっている状況が続いています。
1997年の平均年収は約460万円でしたが、2023年には約443万円まで減少しています(実質賃金は減少)。
このように、「働くだけでは資産を増やせない」時代になったのです。
一方で、米国株の代表的な指標であるS&P500は、過去20年間で約7倍に上昇しました。投資をしていた人だけが、物価上昇や円安の影響を受けながらも、資産を守りつつ増やしていくことに成功しているのです。
③ お金に対する意識の違い
投資をしている人は、**「お金=ツール(道具)」として扱います。一方、投資をしていない人は、「お金=貯めておくもの」**という意識を持っています。この考え方の違いが、長期的な資産形成に大きな差を生んでいます。
投資をしていない人 | 投資をしている人 |
---|---|
銀行に預けるのが安心 | 資産を分散してリスクを抑える |
値下がりが怖くて手を出さない | 下落もチャンスと考える |
短期的に損を恐れる | 長期的に利益を得る視点を持つ |
投資をしていない人が今からできる3つの行動
① 「貯金+投資」のバランスを取る
まず最初に、投資を始める際に重要なのは、貯金と投資のバランスを取ることです。
いきなり全額を投資に回す必要はありません。生活防衛資金(生活費の6ヶ月分)を確保した上で、余剰資金を少しずつ投資に回していけば問題ありません。
たとえば、毎月3万円を積立て投資すると、20年後には約1,000万円を超える可能性があります。
② NISA・つみたてNISAを活用する
投資を始める際、税金がかからない「新NISA」を活用することが最強の選択です。
NISAでは、利益が非課税になります(通常、約20%の税金がかかる)。また、少額から投資を始められ、プロが運用する投資信託で分散投資が可能です。
初心者におすすめの投資先としては、S&P500や**オールカントリー(全世界株式)**が挙げられます。
③ まず「お金の勉強」を始める
投資の最大のリスクは「知らないこと」です。
YouTubeや書籍、金融庁の資料など、信頼できる情報源から学ぶ習慣を身に付けましょう。初心者におすすめの書籍としては、『お金の大学』(両学長著)や**『バビロンの大富豪』、『ウォール街のランダム・ウォーカー』**などがあります。
今後ますます投資格差は広がる
今後、円安、物価上昇(インフレ)、少子高齢化による社会保障の減少といった要因が重なり、「投資をしていない人ほど損をする」時代が続くでしょう。
投資を始めるかどうかは自由ですが、「投資をしない」という選択も、実はリスクを抱えているということを理解しておくべきです。
この先、投資をしている人とそうでない人では、資産形成における差はますます広がります。
まとめ:投資は「特別な人のもの」ではなく「未来を守る手段」
比較 | 投資していない人 | 投資している人 |
---|---|---|
お金の増え方 | 貯金だけでほぼ横ばい | 複利で年々成長 |
お金の使い方 | 消費中心 | 投資・自己投資中心 |
将来の安心感 | 年金・貯金に依存 | 複数の収入源がある |
投資を始めた人が増えるほど、格差は自然に広がっていきます。そのため、「今から始める」ことが最大の価値を生むのです。
**今日が、あなたの未来の資産を変える「最初の一歩」**になります。資産形成は、一夜にしてできることではありませんが、少しずつ投資を始めることで、確実に未来の資産を築いていけます。