実力も運のうち 能力主義は正義か〈マイケル・サンデル〉

こんにちわCOBARUです。最近面白い本を読んだので気になった点と個人的な考えについてまとめました。
著者のマイケル・サンデルはアメリカ合衆国の哲学者でハーバード大学の教授を務める方で
今回の本を簡単にまとめると「成功」とは個人の実力や努力だけではなく運や環境の要因にも大きく影響を受けるというものです。

成功に影響を与える要因が実力主義の理念とは異なることを示す2つの主要な理由があります。

1つ目は、高学歴の親が裕福であることが、実力に影響を与えることです。多くの名門大学の学生は、経済的に恵まれた家庭から出身しており、お金が大学進学に影響を与えていることが示されています。また、不正な手段で大学入学を試みる親も存在し、これが実力主義の原則を乱す問題となっています。例えば、ハーバード大学に在籍する学生の親の年収の中央値は2,400万円です。そして半数以上の学生が「所得分布上位10%」の出身です。また、日本でも東京大学に在籍する学生の親の年収40%が1000万円以上、日本の平均的な世帯年収に比べてもかなり高水準と言えるでしょう。
そして一度貧困層になってしまうとそこから這い上がることが難しいことも挙げられます。たとえば、塾に通えないや教材が買えないなど教育リソースへのアクセスが制限されたり、大学に通えず、学歴が無いことにより将来の職業選択肢が限定され、誰にでもできる低賃金の仕事にしか就けず、どんどん格差がひろがっていきます。

2つ目の理由は、生まれた時代が実力に大きな影響を与えることです。例えば、ウサイン・ボルトは、自身が生まれた時代に恵まれていたため、世界陸上競技大会などが存在し、彼の才能を発揮できたのです。過去の時代では、特定の性別、人種、宗教、性的指向などに対する偏見や差別が広く受け入れられていました。景気の好不調、雇用機会、給与水準といった経済的な状況も時代によって変化し、実力や成功に大きな影響を与えます。現在では特にテクノロジーや情報格差が顕著に出てきていると感じています。

近年、能力主義が強調され、成功は個人の実力や努力に基づいているとの信念が広まっています。しかし、成功には運や環境の要素も大きく影響し、社会的な不平等や正当化を引き起こす可能性があります。成功には本人の努力だけでなく、周囲の環境や運の要素も影響していることを認識すべきです。

実力主義社会において、成功は個人の努力だけで成し遂げたものではなく、運や環境の要因も大きな役割を果たします。マイケル・サンデルが提唱する理想は、「共通善」です。これは、全ての人が共通の正義を探求し、社会の不平等を是正するために努力する姿勢を持つべきだという考えです。私たちは自身の成功に調子に乗らず、周囲への感謝の気持ちを忘れず、公平な機会を提供することに努力する必要があります。成功は本人の努力だけで成し遂げたものではなく、運や環境も大きな役割を果たすことを認識し、他人への配慮を忘れないようにしましょう。

まとめ
著者のマイケル・サンデルは「成功」とは運や環境に大きく影響受けることを説明しています。
1つ目親の裕福度が子供に影響を与える。
2つ目生まれた時代によっても影響を受ける。
成功した人は自己責任・自己努力が全てではないと認識して周囲への配慮が必要です。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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