日本人はリスクを過大評価しているかもしれない

日本人はリスクを過大評価しているかもしれない

心理的リスクと物理的リスクの違い


はじめに|「怖い」は本当に危険なのか

転職や投資を考えたとき、多くの人は強い不安を感じます。

  • 収入が減るかもしれない
  • 失敗したらどうしよう
  • 元に戻れなかったら困る

しかし、その「怖さ」は本当に現実のリスクなのでしょうか。

もしかすると私たちは、

物理的なリスクよりも心理的なリスクを大きく見積もっているのかもしれません。


物理的リスクとは何か

まず、物理的リスクを分解してみます。

転職の場合であれば、

  • 一時的な収入減
  • 環境の変化
  • 試用期間中の不安定さ

投資であれば、

  • 元本割れ
  • 短期的な価格変動

これらは確かに現実的なリスクです。

しかし重要なのは、

それらが「どの程度の確率で」「どのくらいの規模で」起きるのかです。

多くの場合、最悪の想定は実際より極端です。


心理的リスクとは何か

一方で、心理的リスクがあります。

  • 不安
  • 周囲の目
  • 失敗への恐怖

これらは数値化しづらく、

しかし強く感じられます。

問題は、

私たちは後者を前者よりも重く評価してしまうことです。


損失回避バイアスという仕組み

行動経済学では、人は利益よりも損失を強く感じるとされています。

1万円得る喜びよりも、

1万円失う痛みのほうが大きい。

この性質があるため、

「減る可能性」に強く反応します。

転職や投資では、

“失う未来”ばかりを想像してしまう。

その結果、実際のリスクよりも

体感リスクが大きくなります。


現状維持バイアスとホメオタシス

人間の脳は、変化を避ける傾向があります。

今の状態が不満でも、

慣れているという理由だけで安心感を持ちます。

これを現状維持バイアスと呼びます。

さらにホメオタシス(恒常性維持機能)は、

今の状態を保とうとします。

そのため、

といった変化は、

必要以上に「危険」に感じられます。


日本人がリスクを大きく見積もりやすい理由

日本は比較的安定した社会です。

  • 雇用の安定志向
  • 老後資金への強い不安
  • 周囲との比較文化

こうした環境では、

十分に安全が確認できるまで動かない

という思考が強まりやすい。

一方、世界には

明日の収入が保証されていない国もあります。

それでも人々は結婚し、起業し、移動します。

完璧な安全を前提にしない文化も存在します。

もちろんどちらが正しいという話ではありません。

ただ、日本では

心理的な不安が増幅されやすい土壌があることは確かです。


最悪シナリオ思考の罠

人は未来を想像するとき、

中間ではなく極端を描きがちです。

  • 転職失敗 → 無職 → 生活破綻
  • 投資失敗 → 全損

しかし実際は、多くが中間に収まります。

収入は一時的に下がるかもしれませんが、

ゼロになるわけではない。

投資は一時的に下落しても、

長期で回復する可能性がある。

想像は極端になりやすい。

現実はグラデーションです。


リスクを分解すると、見え方が変わる

「怖い」と感じたときは、分解します。

  • 最悪はいくらか
  • 何ヶ月持つか
  • 代替手段は何か
  • 再起の可能性はどれくらいか

具体化すると、多くの場合、

致命傷ではない

と分かります。

リスクはゼロにはできません。

しかし、過大評価は減らせます。


変化のピークは「やる前」

多くの挑戦は、

実行前が心理的ピークです。

  • 口座を開く前
  • 退職届を書く前
  • 面接を受ける前

実行後は、

それが日常になります。

ホメオタシスは新しい状態にも適応します。

つまり、怖さは永続しません。


まとめ|不安は拡大しやすい

日本人は真面目です。

だからこそ、

リスクを慎重に見積もります。

しかし、慎重さが過度になると、

行動が止まります。

物理的リスクと心理的リスクを分けて考える。

想像と現実を分解する。

それだけでも、

リスクの見え方は変わります。

変化は確かに不安を伴います。

ただ、その不安の大きさは、

現実よりも頭の中で膨らんでいる可能性があります。


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